昔々のお話しです。おじいさんが かぶの種を植えました。
「大きくなあれ甘くなあれ」
かぶはぐんぐん育ち、おじいさんより 大きくなりました。
おじいさんは かぶを抜くことにしました。
「よいしょ」 ところが、びくとも しません。
「おーい、おばあさん手伝ってくれ」
おじいさんと おばあさんはかぶをひっぱりました。
「よいしょ よいしょ」やっぱり抜けません。
「私もてつだうわ」 まごが やってきました。
「よいしょ よいしょ よいしょ」三人でひっぱってもかぶはまったく抜けません。
「犬さん、ちょっと手伝って」
おじいさんとおばあさんとまごと犬が力いっぱいひっぱります。
「よいしょ よいしょ よいしょ わんわん」けれども全然抜けません。
「にゃーご」 猫もやってきました。
「よいしょ よいしょ よいしょわんわんにゃーご」
それでもかぶは抜けません。
猫はねずみを連れてきました。
おじいさんとおばあさんとまごと犬と猫とねずみが 一斉のせで力を合わせました。
「よいしょ よいしょ よいしょ わんわん にゃーご ちゅう」
すっぽん! とうとうかぶが抜けました。
「今夜はかぶのスープにしよう」
甘くておいしいスープをみんなで仲良く食ました。